From: ueno Date: Sat, 6 Aug 2005 23:44:41 +0000 (+0000) Subject: Note that versions from CVS may not be reliable. X-Git-Tag: channel-coding-branchpoint~192 X-Git-Url: http://git.chise.org/cgi-bin/gitweb.cgi?a=commitdiff_plain;h=1258894937c5fe2b90c93c20f0c33829d8e30eba;p=elisp%2Friece.git Note that versions from CVS may not be reliable. --- diff --git a/HACKING.ja b/HACKING.ja index 93ca5a7..4c1e0a4 100644 --- a/HACKING.ja +++ b/HACKING.ja @@ -3,128 +3,141 @@ この文書では、Riece の開発プロセスや内部構造など、開発に必要な情報をま とめています。開発に参加していただける方は参考にしてください。 -* CVS +* Development process + +** CVS Riece の開発には CVS を利用しています。公開 CVS サーバから最新版のソー スコードを取得するには以下のようにします。 +CVS 版のソースコードは、あくまで開発途上のものであり、利用は個人の責任 +でお願いします。CVS 版に関するバグ報告は一切受け付けません。 + (1) CVS サーバへのログイン -cvs -d :pserver:anonymous@cvs.m17n.org:/cvs/root login -CVS password: [CR] # NULL string + cvs -d :pserver:anonymous@cvs.m17n.org:/cvs/root login + CVS password: [CR] # NULL string (2) モジュールのチェックアウト -cvs -d :pserver:anonymous@cvs.m17n.org:/cvs/root checkout riece + cvs -d :pserver:anonymous@cvs.m17n.org:/cvs/root checkout riece (3) configure スクリプトの生成 -autoreconf -f -i -v + autoreconf -f -i -v この作業には最新の GNU Automake が必要かもしれません。 -* Debugging +** Debug output 変数 riece-debug を t に設定すると、Riece の実行中にデバッグ情報が出力 されるようになります。デバッグ情報は *Debug* バッファに蓄積されます。 -また、IRC サーバとのやりとりが " *IRC*[<サーバ名>]" バッファに蓄積されま -す。 +また、IRC サーバとのやりとりが " *IRC*" バッファに蓄 +積されます。バッファの名前が空白 " " で始まることにご注意ください。 + +** Bug report + +バグ報告は、ツールバーの虫ボタンを押すか、M-x riece-submit-bug-report +で作成してください。また、バグ報告の作成の前に riece-debug を t に設定 +する必要があります。 + +* Internals -* Modules +** Modules Riece を構成する elisp モジュールを以下に列挙します。依存関係の上位に あるものを先に挙げます。 - riece-globals -大域変数の定義 + 大域変数の定義 - riece-options -ユーザオプションの定義 + ユーザオプションの定義 - riece-version -バージョンの定義 + バージョンの定義 - riece-coding -コーディングシステム関連の関数の定義 + コーディングシステム関連の関数の定義 - riece-complete -ミニバッファでの補完を助ける関数の定義 + ミニバッファでの補完を助ける関数の定義 - riece-addon -アドオン管理 + アドオン管理 - riece-mode -channel/user のモード管理 + riece-channel/riece-user オブジェクトのモード管理 - riece-identity -channel/user object の大域表記を操作する関数の定義 + riece-channel/riece-user オブジェクト の大域表記を操作する関数の定義 - riece-channel -channel object 関連の定義 + riece-channel オブジェクト 関連の定義 - riece-user -user object 関連の定義 + riece-user オブジェクト 関連の定義 - riece-misc -雑多な関数の定義 + 雑多な関数の定義 - riece-signal -シグナル管理 + シグナル管理 - riece-layout -ウィンドウレイアウト管理 + ウィンドウレイアウト管理 - riece-display -表示用バッファの管理 + 表示用バッファの管理 - riece-server -IRC サーバとの接続管理 + IRC サーバとの接続管理 - riece-naming -名前管理 + チャンネルへのユーザの参加・離脱を管理する mediator - riece-message -message object 関連の定義 + riece-message オブジェクト 関連の定義 - riece-filter -プロセスフィルタのエントリポイント + プロセスフィルタのエントリポイント - riece-handle -通常のメッセージのハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 通常のメッセージのハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-000 -000番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 000番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-200 -200番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 200番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-300 -300番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 300番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-400 -400番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 400番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-500 -500番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる + 500番台の numeric reply のハンドラ。riece-filter から呼ばれる - riece-commands -コマンドの定義 + コマンドの定義 - riece-irc -IRC プロトコルインターフェース + IRC プロトコルに対応した process-filter などの設定 - riece -エントリポイント。各バッファのモード定義など + 起動時のエントリポイント。各バッファのメジャーモードの設定など -* Namespace management +** Namespace management Riece は同時に複数の IRC サーバに接続できるので、IRC サーバ毎に別々の 名前空間を管理する必要があります。このような名前空間には、IRC サーバと の接続プロセスに結び付けられたバッファのローカル変数を介してアクセスし ます。 -** Obtaining server buffer +*** Obtaining server buffer IRC サーバとの接続プロセスを取得するには IRC サーバの名前を知る必要が あります。IRC サーバの名前は以下に挙げるいくつかの方法で取得できます。 @@ -141,7 +154,7 @@ riece-server-name がカレントバッファのローカル変数であるならば、既にプ こうして取得した IRC サーバの名前を引数に関数 riece-server-process を 呼出し、サーバのプロセスを取得します。 -** Identity +*** Identity 複数の IRC サーバに接続している場合、チャンネル名やニックネームを大域 的に区別する必要が生じます。このような名前を表現するのが @@ -150,82 +163,82 @@ riece-identity オブジェクトです。 riece-identity オブジェクトは以下の 2 つの要素をもつベクターです。 - prefix -チャンネル名やニックネームなど、IRC サーバに固有の名前 + チャンネル名やニックネームなど、IRC サーバに固有の名前 - server -IRC サーバの名前 + IRC サーバの名前 riece-identity オブジェクトに適用可能な操作には以下のようなものがあります。 - riece-make-identity prefix &optional server -riece-identity オブジェクトを新規に作成します。server 引数が省略された -場合には、関数 riece-find-server-name で取得したサーバ名を使います + riece-identity オブジェクトを新規に作成します。server 引数が省略された + 場合には、関数 riece-find-server-name で取得したサーバ名を使います - riece-identity-prefix identity -riece-identity オブジェクトから IRC サーバに固有の名前を切り出します。 + riece-identity オブジェクトから IRC サーバに固有の名前を切り出します。 - riece-identity-server identity -riece-identity オブジェクトからサーバの名前を切り出します。 + riece-identity オブジェクトからサーバの名前を切り出します。 - riece-identity-equal ident1 ident2 -2 つの riece-identity オブジェクトが同等であるか調べます。 + 2 つの riece-identity オブジェクトが同等であるか調べます。 - riece-identity-equal-no-server ident1 ident2 -2 つの riece-identity オブジェクトの、IRC サーバに固有の名前が同等であ -るか調べます。 + 2 つの riece-identity オブジェクトの、IRC サーバに固有の名前が同等であ + るか調べます。 - riece-identity-member elt list -riece-identity オブジェクト elt が list に含まれるか調べます。 + riece-identity オブジェクト elt が list に含まれるか調べます。 -** Channel and user management +*** Channel and user management riece-identity オブジェクトから切り出された IRC サーバに固有の名前、す なわちチャンネル名ととニックネームにより表わされるチャンネルとユーザの 実体はそれぞれ riece-channel オブジェクトと riece-user オブジェクトで 表現されます。 -*** Channels +**** Channels riece-channel はチャンネルを表すオブジェクトで、以下の要素を持ちます。 - users -参加しているユーザのニックネームのリスト + 参加しているユーザのニックネームのリスト - operators -オペレータ権限をもつユーザのニックネームのリスト + オペレータ権限をもつユーザのニックネームのリスト - speakers -発言権をもつユーザのニックネームのリスト + 発言権をもつユーザのニックネームのリスト - modes チャンネルのモード - banned -MODE +b で指定されたパターンの一覧 + MODE +b で指定されたパターンの一覧 - invited -MODE +I で指定されたパターンの一覧 + MODE +I で指定されたパターンの一覧 - uninvited -MODE +e で指定されたパターンの一覧 + MODE +e で指定されたパターンの一覧 -*** Users +**** Users riece-user は、IRC に参加しているユーザを表すオブジェクトで、以下の要 素を持ちます。 - channels -参加しているチャンネル名のリスト + 参加しているチャンネル名のリスト - user-at-host -"@" の形で与えられるユーザの接続情報 + "@" の形で与えられるユーザの接続情報 - modes -ユーザのモード + ユーザのモード - away -離席中かどうか + 離席中かどうか -*** Naming management +**** Mediator pattern チャンネルへのユーザの参加・離脱を管理するために、 riece-naming モジュー ルを使います。riece-naming は、デザインパターンでいうところの Mediator @@ -237,15 +250,15 @@ riece-naming を介することで、前述の riece-channel, riece-user オブジェ riece-naming $Bが提供する主な関数は以下の 3 つです。 - riece-naming-assert-join user-name channel-name -ユーザがチャンネルに参加したことを表明します + ユーザがチャンネルに参加したことを表明します - riece-naming-assert-part user-name channel-name -ユーザがチャンネルから離脱したことを表明します + ユーザがチャンネルから離脱したことを表明します - riece-naming-assert-rename old-name new-name -ユーザの名前が変更されたことを表明します + ユーザの名前が変更されたことを表明します -* Signals +** Signals シグナルとは、画面の再描画を効率良く行うために、イベントと描画対象のオ ブジェクト(バッファや、モードラインの印)を結び付ける機構です。 @@ -261,91 +274,92 @@ riece-naming が提供する主な関数は以下の 3 つです。 シグナルに応答する処理は、riece-connect-signal を使って定義します。 -- riece-connect-signal signal-name slot-function &optional filter-function handback +- riece-connect-signal signal-name slot-function &optional + filter-function handback -引数 signal-name で指定されたシグナルに応答する関数 slot-function を設 -定します。slot-function に指定された関数は 2 つの引数を取ります。ひと -つはシグナルで、もう一つは、引数 handback で与えられたオブジェクトがそ -のまま渡されます。 + 引数 signal-name で指定されたシグナルに応答する関数 slot-function を + 設定します。slot-function に指定された関数は 2 つの引数を取ります。 + ひとつはシグナルで、もう一つは、引数 handback で与えられたオブジェク + トがそのまま渡されます。 -引数 filter-function は、受信したシグナルに応答すべきかどうかを判定す -る関数です。この関数は引数としてシグナルオブジェクトを受け取り、nil ま -たは t を返します。返り値が nil の場合には、slot-function は実行されま -せん。 + 引数 filter-function は、受信したシグナルに応答すべきかどうかを判定 + する関数です。この関数は引数としてシグナルオブジェクトを受け取り、 + nil または t を返します。返り値が nil の場合には、slot-function は実 + 行されません。 シグナルオブジェクトにアクセスするには、以下の関数を使います。 - riece-signal-name signal -シグナルの名前を返します。 + シグナルの名前を返します。 - riece-signal-args -シグナルの送信時に与えられた引数を返します。 + シグナルの送信時に与えられた引数を返します。 現在、以下のシグナルが使用されています。 - channel-list-changed -参加しているチャンネルの一覧の変化 + 参加しているチャンネルの一覧の変化 - user-list-changed -チャンネルの参加者一覧の変化 -(引数はチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + チャンネルの参加者一覧の変化 + (引数はチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - channel-switched -現在のチャンネルを移動 + 現在のチャンネルを移動 - user-joined-channel -ユーザがチャンネルに参加 -(引数は、ユーザおよびチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + ユーザがチャンネルに参加 + (引数は、ユーザおよびチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - user-left-channel -ユーザがチャンネルから離脱 -(引数は、ユーザおよびチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + ユーザがチャンネルから離脱 + (引数は、ユーザおよびチャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - user-renamed -ユーザが名前を変更 -(引数は、以前と現在の名前に相当する riece-identity オブジェクト) + ユーザが名前を変更 + (引数は、以前と現在の名前に相当する riece-identity オブジェクト) - user-away-changed -ユーザの離席状態の変化 -(引数は、ユーザに相当する riece-identity オブジェクト) + ユーザの離席状態の変化 + (引数は、ユーザに相当する riece-identity オブジェクト) - user-operator-changed -ユーザのオペレータ状態の変化 -(引数は、ユーザに相当する riece-identity オブジェクト) + ユーザのオペレータ状態の変化 + (引数は、ユーザに相当する riece-identity オブジェクト) - channel-topic-changed -チャンネルのトピックの変化 -(引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + チャンネルのトピックの変化 + (引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - channel-modes-changed -チャンネルのモードの変化 -(引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + チャンネルのモードの変化 + (引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - channel-operators-changed -チャンネルでオペレータ権限を持つユーザの一覧の変化 -(引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + チャンネルでオペレータ権限を持つユーザの一覧の変化 + (引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - channel-speakers-changed -チャンネルで発言権を持つユーザの一覧の変化 -(引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) + チャンネルで発言権を持つユーザの一覧の変化 + (引数は、チャンネルに相当する riece-identity オブジェクト) - buffer-freeze-changed -バッファの凍結状態の変化 -(引数はバッファ) + バッファの凍結状態の変化 + (引数はバッファ) -* Writing add-ons +** Writing add-ons アドオンの条件を満たすモジュールは以下の関数を提供します。 - <モジュール名>-requires -依存する他のアドオン(シンボルのリスト)を返します(オプション) + 依存する他のアドオン(シンボルのリスト)を返します(オプション) - <モジュール名>-insinuate -初期化処理を行います + 初期化処理を行います -また、アドオンの説明を、変数 <モジュール名>-description に設定すること -もできます。この文字列は M-x riece-command-list-addons によるアドオン -の一覧表示に使われます。 +また、アドオンの簡単な説明を、変数 <モジュール名>-description に設定す +ると良いでしょう。この文字列は C-c ^ (M-x riece-command-list-addons) +によるアドオンの一覧で表示されます。 有効化・無効化に対応したアドオンは、変数 <モジュール名>-enabled に現在 の状態を保持します。この変数の値が nil であれば無効、t であれば有効で @@ -362,19 +376,19 @@ Riece は起動時に以下の処理を行います。 (1) 変数 riece-addons に列挙されたモジュールを読み込む (2) それぞれのモジュールに対し、<モジュール名>-requires が用意 -されていれば呼び出して依存グラフを作る + されていれば呼び出し、依存グラフを作る -(3) 依存グラフに対してトポロジカルソート (cf. tsort(1)) を行う +(3) 依存グラフに対してトポロジカルソートを行う (4) 得られた依存順序に従って <モジュール名>-insinuate 呼び出す (5) もし、アドオンが有効化・無効化に対応しており、明示的に無効化されて -いなければ、<モジュール名>-enable を呼び出す。 + いなければ、<モジュール名>-enable を呼び出す。 作成したアドオンは、load-path の通ったディレクトリか、 ~/.riece/addons/ 以下に配置すると組み込み可能な状態になります。 -* Handler hooks +** Handler hooks Riece には、ハンドラフックと呼ばれる特別な意味を持つフックがあります。 ハンドラフックは IRC のメッセージを受け取った前後で実行されます。 @@ -383,13 +397,13 @@ Riece には、ハンドラフックと呼ばれる特別な意味を持つフックがあります。 したものとします。 - riece--hook -message が届いたときに最初に呼ばれるフック + message が届いたときに最初に呼ばれるフック - riece-after--hook -message の処理が終わった後に呼ばれるフック + message の処理が終わった後に呼ばれるフック -ここで riece--hook の返り値には意味があり、非 nil を返すもの -があれば、その後の処理をおこないません。また、その場合には +ここで riece--hook の返り値には意味があり、t を返すものがあれ +ば、その後の処理をおこないません。また、その場合には riece-after--hook も呼び出されません。 フックの引数には RFC2812 の prefix と parameters が渡ります。 \ No newline at end of file