-*- Mode: outline; coding: euc-jp -*- * はじめに ここではXEmacs/CHISEで作成した文書をΩ/CHISEでPDFに変換できるようにす るために必要な手順を紹介します。インストールが完了すれば付属のtest.tex をPDFに出来るようになるはずです。 # test.tex をPDFで見れても特にうれしくはないのですが。(^^;; * なお、現在もCVSにはperl 5.6用のスクリプト(inCHISE-5.6)を残してい ますが、perl 5.6用のスクリプトはメインテナンスしていません。ご注意 ください。 必要な手順は次の通りです。ruby/CHISEに依存している部分がありますので、 あらかじめruby/CHISEをインストールしておいて下さい。 1. Chise_utils.pm をインストール(要 BerkeleyDB.pm) 2. CHISE DB に Ω/CHISE が利用する情報を加える。 a. ruby/CHISEのインストール b. ruby/CHISE を利用して ids, ids-decomposed, ids-aggregated とids の 逆引きDBを作成 d. CHISE DB にAdobe CID情報を付け加える 3. フォントメトリックファイルのインストール 4. fontforge, t1asm のインストール 5. スクリプトの設定 6. dvipdfmx の設定 7. lambda の実行 8. dvipdfmx の実行 9. インストール上の注意 これを順に説明していきます。 なお、Mac OS X 上で fink を利用している場合のインストール方法は INSTALL-MacOS-X.txt.ja にありますので、そちらもご参照下さい。 * 1. Chise_utils.pm をインストール(要 BerkeleyDB.pm) $ perl Makefile.PL $ make $ make install * 2. CHISE DB に Ω/CHISE が利用する情報を加える。 なるべく簡単にインストール出来るようにするため、tar アーカイブを準備 しています。CHISE DB が新しいディレクトリ構造 (/usr/local/share/chise/0.3/db/character/ など)の場合、次の方法で インストールできます。ファイルを上書きしてしまいますのでご注意下さい。 * ここでインストールされる情報はある時点でしか整合性がないものですの で、問題がある場合は、次の節を参考にアーカイブを利用せずにCHISE DB を更新する方法を御利用下さい。 ex) $ wget http://www.jokoji.jp/chise/omega-chise-supportdb-20040827.tar.gz $ tar xvzf omega-chise-supportdb-20040827.tar.gz -C /usr/local/share/chise/0.3/db これで CHISE DB に IDS の逆引きデータベースなどと vnd-adobe-cid の 情報が付け加わります。 以前の形式のデータベースの場合は、手でファイルを移動する必要がありま す。 ex) $ wget http://www.jokoji.jp/chise/omega-chise-supportdb-20040827.tar.gz $ tar xvzf omega-chise-supportdb-20040827.tar.gz -C $TMPDIR $ cd $TEMPDIR/chise-db/character $ cp feature/* /usr/local/lib/chise/char-db/system-char-id/ $ cp by_feature/* /usr/local/lib/chise/char-db/ ** tar アーカイブを利用せずに CHISE DB に情報を加えるには、次の a, b, c の手順を行って下さい。 *** a. ruby/CHISEのインストール (省略) * ruby/CHISE のドキュメントを参照して下さい。 *** b. ruby/CHISE を利用して ids, ids-decomposed, ids-aggregated と ids の逆引きDBを作成 $ cd $RUBY_CHISE_DIR/tools $ vi make_ids_db.rb - edit - $ ruby make_ids_db.rb db.make_ids_reverse db.make_ids_db db.make_ids_aggregated db.make_ids_decomposed が必要です。 *** c. CHISE DB にAdobe CID情報を付け加える 付属の add_adobecid.pl を使って CHISE DB に情報を加えます。 必要なファイルは Adobe Reader や Adobe Acrobat などに付属の CMap ファ イル(UniGB-UCS2-H, UniCNS-UCS2-H,UniJIS-UTF16-H,UniKS-UCS2-H)です。 四つのファイルに対して add_adobecid.pl を実行します。 $ perl add_adobecid.pl $CMAP_DIR/UniGB-UCS2-H $CHISEDB_DIR $ perl add_adobecid.pl $CMAP_DIR/UniCNS-UCS2-H $CHISEDB_DIR $ perl add_adobecid.pl $CMAP_DIR/UniJIS-UTF16-H $CHISEDB_DIR $ perl add_adobecid.pl $CMAP_DIR/UniKS-UCS2-H $CHISEDB_DIR * $CMAP_DIR は上記の CMap ファイルのあるディレクトリ * $CHISEDB_DIR は /usr/local/share/chise/0.3/db など CHISE の文字 データベースがあるディレクトリです。 * 3. フォントメトリックファイルのインストール omega-chise-texmf-0.3.20040902.tar.gz を取ってきて展開する。ファイル が上書きされてしまうかもしれないので、内容を確認して下さい。 ex) $TEXMF が /usr/local/share/texmf の場合 $ wget http://www.jokoji.jp/chise/omega-chise-texmf-0.3.20040902.tar.gz $ tar xvzf omega-chise-texmf-0.3.20040902.tar.gz -C /usr/local/share * 必要ならこの後 mktexlsr を実行して下さい。 * 4. fontforge, t1asm などのインストール 1) Debian (woody) の場合 # apt-get install t1utils # apt-get install fontforge * 5. スクリプトの設定 想定しているディレクトリ構造は、 1. $TEXMF … /usr/local/share/texmf 2. Ω/CHISE データキャッシュ用ディレクトリ … /usr/local/share/chise/omega です。 これと同じ場合は設定を変更する必要はありません。3. の inCHISE のスク リプト埋め込みオプションだけをご参照下さい。 ** 1. $TEXMF が /usr/local/share/texmf 以外の場合 chise.sty と makefonts.pl の設定を変更する必要があります。 *** $TEXMF/omega/lambda/local/chise/chise.sty chise.sty の中の外部OCPファイルの場所をすべて正しい位置に書き換えて 下さい。/usr/local/share/texmf/omega/ocp/chise_rqd/chise を全て置換する のがもっとも簡単な方法です。 * これは、外部OCPファイルをフルパスで指定しないとΩが認識できないこ とによるものです。将来は不要になるかもしれません。 また、makefonts.pl の中の $cleanup_script をご確認下さい。 $cleanup_script は fontforge が利用するスクリプト(svg2t1.pfe)の 位置を指しています。必要があれば指定して下さい。 * $TEXMF が /usr/share/texmf や /sw/share/texmf の場合は変更しなくて も動作します。 ** 2. Ω/CHISE のデータキャッシュ用のディレクトリが /usr/local/share/chise/omega ではない場合 Ω/CHISE のデータキャッシュ用のディレクトリは Chise_utils.pm で指定 しています。 1. でインストールした Chise_utils.pm の中の $omegadb_path を変更して 下さい。 * なおこのディレクトリにIDSのデータやグリフデータをキャッシュするの で、書き込み権限が必要です。パーミッションを適宜変更して下さい。 ** 3. inCHISE のスクリプト埋め込みオプション inCHISE には、変更の頻度が少ないと思われる、スクリプト埋め込みのオプ ションがあります。必要があれば変更して下さい。 $opt_order{Multi}← Multifont 環境内で使用するフォントの優先順位を 指定します。c, g, j, k, G, H, C を優先順位の高い 方から順に「jGcgkHC」のような形で並べます。全てを 指定する必要はなく「jG」などの形も可能です。 それぞれ 'c'=>'UniCNS' 'g'=>'UniGB' 'j'=>'UniJIS' 'k'=>'UniKS' 'G'=>'GT' 'H'=>'HZK' 'C'=>'CDP' を表しています。 大文字のオプションは、埋め込み用のフォントが必要 になるものです。 $opt_allow_unify← unify を許します。結果として字形が変わることが あるので、使用には注意が必要です。nify を許す時は 「1」を、unify をさせないようにする時は「0」を指 定して下さい。 $opt_protrude ← 禁則をぶら下がりにするかどうかの指定です。ぶら下 がりにする時は「1」を、ぶら下がりをしない時は「0」 を指定してください。 * 6. dvipdfmx の設定 $TEXMF/dvipdfm/CMap にリンクをはるなどして CMap を dvipdfmx で使える ようにしておく。 ex) ln -s $ADOBE_READER_CMAP_DIR/* $TEXMF/dvipdfm/CMap/ また、dvipdfmx.cfg に f chise.map f mulambda.map f gt.map f hzk.map f cdp.map を書き加える。 * cdp.map は Identity-H という CMap を利用する設定になっていますが、 手元の dvipdfmx では「Adobe-Identity-UCS2」を見に行ってしまいます。 そのような場合は、 $ cd $TEXMF/dvipdfm/CMap $ ln -s Identity-H Adobe-Identity-UCS2 として対処して下さい。 * gt.map, hzk.map, cdp.map は必ずしも必要ではありません。 * chise.map は KAGE サーバからグリフをもらって来る時に必要です。 * Mac OS X などでヒラギノのフォントを利用する時は「mulambda.map」の 代わりに「mulambda-hiragino.map」を指定して下さい。embed をさせな いようにする時は「mulambda-hiragino-noembed.map」を御利用下さい。 * 7. lambda の実行 ex) $ lambda test # chise.sty には次の三つのオプションがあります。 # # 1. ファイルを保存した時のコーディングシステム(必須) # utf8cns, utf8gb, utf8jis, utf8ks, utf8mcs のいずれか。 # 2. 文書全体にデフォールトで使用するフォントの種類 # cnsfont, gbfont, jisfont, ksfont, multifont のいずれか。 # 指定しなければラテン文字用のフォントがデフォールトになります。 # なお、最後の「multifont」は、CNS, GB, JIS, KS のフォントのいず # れかにグリフがあればそれを使用するという環境です。ここで指定し # なくても \begin{Multifont}…\end{Multifont} や \multifont{} を # 使って利用することも出来ます。 # また優先順位を指定することも出来ます。上記の「スクリプトの移動 # と設定の書き換え」を参照して下さい。 # 3. KAGE サーバを利用するかどうか(kage) # 指定しなければ、KAGE を呼びません。 * 8. dvipdfmx の実行 ex) $ dvipdfmx test * GT, HZK, CDP を使う時はTTFをdvipdfmxが見付けられる所に置いて下さい。 何故か私の所ではこれらのフォントは、カレントディレクトリにないと認 識されません。(^^; これで PDF ファイルが出来上がっているはずです。 * 9. インストール上の注意 最近のlambdaはalephを使っているので、Ω/CHISEが正常に動きません。 その場合はomegaを使ったlambdaを作りなおす必要があります。 以下に、TeXが/usr/local以下にインストールされている場合の例を示しま す。 確認方法) $ ls -l /usr/local/bin/lambda 「/usr/local/bin/lambda -> aleph」と表示される場合は、以下の作業を行っ て下さい。 $ cd /usr/local/bin $ sudo rm lambda $ sudo ln -s omega lambda $ cd /usr/local/share/texmf/web2c $ lambda -ini lambda.tex 以上です。