1) gnus-offline (Gnus Offline Backend Utility)って何? これは T-gnus でメッセージをより容易にオフライン環境で扱うためのユーティ リティです。 主として T-gnus の `Agent' と呼ばれる機能のために書かれています。 また、gnspool などの外部プログラムを用いた nnspool でも使うことができ ます。また、別途配布の miee.el を送信に使用することも可能です。 (*) nspool については info を参照してください。 (*) gnspool は gn というニュースリーダーと共に配布されています。 (*) miee.el の最新版は以下の場所から取得できます。 http://www.shiojiri.ne.jp/%7Et-ichi/meadow.html ;; gnus-offline を使わなくてもオフラインでの読み書きは出来ますが、 ;; gnus-offline を使えばより設定・操作が簡単に出来ます。 具体的には ・動作に必要な変数の対話的設定が可能 ・グループバッファで“g”とタイプするだけで、ダイアルアップ->メイル および ネットニュースの送受信->ダイアルアップの切断 という動作を一気 に行うことが可能になります。(ただし接続・および切断は別途専用のツー ルが必要です) なお、このドキュメントでは主に T-gnus 6.12.0 以降に附属する gnus-offline.el について、送受信ともに gnus-agentを使うことを前提に解 説します。 2) インストール T-gnus をお使いの場合、gnus-offline.el は特に何も考えなくても T-gnus と同時にインストールされます。 3) 使い方 ・T-gnus の一般的な使用方法について info などで調べて設定してください。 ・以下のコードを .emacs に加えます。 (autoload 'gnus-plugged "gnus-agent" nil t) (autoload 'gnus-unplugged "gnus-agent" nil t) ・以下のコードを .emacs に加えます。 (load "gnus-ofsetup") (gnus-setup-for-offline) ・以下のコードを .gnus に加えます。 (gnus-agentize) ・Emacs を再起動します。すると、gnus-ofsetup.el が起動しますので、対話 的に必要な変数の設定を行います。 (何を入力したらいいかわからない場合は 4) を参照するか、TAB で入力 可能な候補を一覧表示させるかしてください) すべて設定するとホームディレクトリに .gnus-offline.el というファイル が出来上がります。(*) (*) 「POP パスワードを ~/.newsrc.eld に保存するかどうか」質問さ れます。これにはよく考慮した上で答えてください。詳しくは 6) を参照して下さい。 ・このあと一旦 M-x gnus-plugged で Gnus を起動して、購読するグループを 決めてください。(詳しい方法は Gnus の info を見てください) そして 次回からは M-x gnus-unplugged で Gnus を起動してください。グルー プバッファで“g”とタイプすることにより前記の動作をするはずです。 ・M-x gnus でもオフライン起動して欲しい場合は、.emacs に (setq gnus-plugged nil) を書いて下さい。もし M-x gnus-plugged を使わないならば、これを .gnus に 書くという手もあるでしょう。 4) gnus-offline で設定可能な変数一覧 ・gnus-offline-dialup-program ダイアルアップするプログラム名 ・gnus-offline-dialup-program-arguments ダイアルアッププログラムの引数のリスト 例えば、gnus-offline-dialup-program に "-s AAA" を渡す場合は (setq gnus-offline-dialup-program-arguments '("-s" "AAA")) と記述してください。 ・gnus-offline-hangup-program 回線を切断するプログラム名 ・gnus-offline-hangup-program-arguments 切断するプログラムの引数のリスト 例えば、gnus-offline-hangup-program に "-s AAA" を渡す場合は (setq gnus-offline-hangup-program-arguments '("-s" "AAA")) と記述してください。 ・gnus-offline-mail-spool-directory 送信メールのスプールディレクトリ Offline 状態で Mail を送信すると一旦ここで指定したディレクトリに保 存されます。 MIEE を使用する場合以外無効です。 ・gnus-offline-news-spool-directory 送信ニュースのスプールディレクトリ Offline 状態で News を送信すると一旦ここで指定したディレクトリに保 存されます。 MIEE を使用する場合以外無効です。 ・gnus-offline-mail-treat-environ Mail の送信を Online/Offline で行う事を切り替える ・gnus-offline-articles-to-fetch fetch する記事を切り替える both->mail->news->both... 'both ... Mail/News を両方受信 'Mail ... Mail だけ受信 'News ... News だけ受信 デフォルト値は 'both です。 ・gnus-offline-load-hook gnus-offline が load されるときに評価される hook ・gnus-offline-before-online-hook Online job 直前に評価される hook ・gnus-offline-after-online-hook Online job 終了直前に評価される hook ・gnus-offline-interval-time Online job を行う間隔(分) Emacs が idle 状態になってからここで指定した時間毎に Online 状態に し Mail/News を取得します。 ・gnus-offline-MTA-type Message を Online 時に送信するプログラムのタイプで、デフォルトは 'smtp です。 'smtp ... smtp.el を使用 'sendmail ... sendmail.el を使用 ・gnus-offline-drafts-queue-type 送信メッセージをキューに溜めるもののタイプで、デフォルトは 'miee で す。 'miee は miee.el を使用. 'agent は gnus-agent.el を使用. ・gnus-offline-after-empting-spool-hook 送信メッセージのキューを空にする前に評価される hook ・gnus-offline-before-empting-spool-hook 送信メッセージを送信後に、空になった後評価される hook ・gnus-offline-dialup-function 接続に使用する関数名 ・gnus-offline-hangup-function 切断に使用する関数名 ・gnus-offline-mail-source メールサーバー、ユーザー名のリスト 5) gnus-offline M-x で実行可能なコマンド一覧 ・M-x gnus-offline-toggle-plugged offline 状態/Online 状態を切替えます。 ・M-x gnus-offline-toggle-auto-hangup offline 状態にします。 ・M-x gnus-offline-toggle-on/off-send-mail Online 状態/Offline 状態での Mail 送信状態を切替えます。 Online 状態では直接送信しますが、Offline 状態では一旦 spool に書き込 み、"g" を押した時に全部送信されます。 ・M-x gnus-offline-toggle-articles-to-fetch 取得する記事を選択します。both -> mail -> news -> both ... のように 切り替わります。 ・M-x gnus-offline-set-interval-time 記事/Mail の取得、送信を自動的に行う間隔(分)を設定します。 この間隔は Emacs が Idle になってからの時間です。 ・M-x gnus-offline-agent-expire 既読の記事を expire します。 6)【!!!重要!!!】 pop パスワードの管理方法について 「どうせ自分一人しか使わないコンピュータだからそれほどパスワードの管理 には注意を払う必要がない」という場合には入力の手間を省く方法があります。 ただし、当然パスワードを盗まれる危険は増しますので実行する際には 100% 自己の責任のもとで行ってください。 初回起動時の gnus-ofsetup.el による変数設定の際、(=~/.gnus-offline.el がないとき)パスワードを ~/.newsrc.eld に保存するかどうか質問され、“y” と答えると保存されるようになります。 (*) (*) 実際には ~/.gnus-offline.el に以下のコードが追加されます。 (add-hook 'gnus-setup-news-hook (lambda () (add-to-list 'gnus-variable-list 'mail-source-password-cache))) ただしこの場合は保存されるパスワードは平文のままなのでかなり危険である ことをご承知のうえお使いください。